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イメージ ろじ[路知]連載:赤米を訪ねて〜外国の赤米事情〜 第六回
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イメージ 安本 義正
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イメージネパールと日本の赤米の比較
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 前回まで、ネパール各地の赤米を紹介してきましたが、今回はネパールと日本の赤米の比較をしてみたいと思います。栽培目的や栽培量から活用方法や将来性などあらゆる角度からの比較をしてみます。
 表1は、それぞれの項目について簡単に比較したものです。
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1)栽培目的
 日本の場合、長く途絶えていたということもあり、通常の食物という位置づけの他に、その栽培目的が多様です。古代米の特性を受け継いでいる珍しい米であるということで、村・町おこし、赤米神事、教育、さらには趣味まで幅広く栽培されています。最近は新形質米の開発という分野に登場しています。
 これに比べると、ネパールの場合には、ごく普通に栽培されてきたこともあり、単に食物として普通に栽培されています。
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2)栽培量
 日本の場合、はっきりとしたデータはありませんが、おそらく年間消費量1000万トンの内、国内で栽培されているのは1万分の1程度ではないかと思われます。しかし、例えば赤米酒などは結構人気がありますので、大口の利用が増えてくれば、かなりの勢いで栽培量も増えてくることが考えられます。
 ネパールの場合も白米と比べると少量で、今後とも増える見込みはまったくありません。なぜなら、日本の過去と同様、栽培価値がなくなり、多くの農家が高く売れる白米の栽培に切り替えているからです。
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3)栽培方法
 日本ではほとんどが水田の田植え方式で、大部分が機械化されています。一部教育機関や村おこし事業で手作業での栽培が行われています。
 ネパールでは、ほとんどが水田栽培ですが、田植え方式の他、直播き方法も多いようです。地球のあらゆる気候が分布しているだけあって、地域によって稲作そのものが多種多様です。手作業のところから機械化されているところなど様々です。
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手作業
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牛を使っての作業
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4)赤米のタイプ
 日本では明治に追放された赤米はインディカですが、現在栽培されている赤米は古代に栽培されていたものと同じジャポニカがほとんどです。そえは、インディカの赤米は脱粒性が極めて高いために敬遠されているからです。
 ネパールでは、ほとんどがインディカの赤米ですが、ジュムラやカリコットなど、ジャポニカに近い赤米やジャポニカが混じっている赤米もあります。
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5)赤米の値段
 日本では白米より相当高いです。白米の約4倍の値段がついています。kgあたり3000円以上もするところがあります。
 ネパールでは、反対に赤米の方が白米より安く、約半値です。kgあたりにしますと、15〜20円程度です。余談ですが、白米でも日本と違って、玄米の方が高く、古米の方が高いのにはびっくりしました。機械の性能や食生活の違いからくるものと思われます。
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6)赤米の活用
 日本の場合は、あらゆるところに活用されています。食物としては、ご飯、おはぎ、雑炊、お粥など、粒のまま利用するものから、粉にしたり、つぶしたりして、ケーキ、饅頭、そば、うどん、味噌などの加工品として活用することも盛んです。また赤酒の原料としてもよく使われており、結構人気があります。この他に、芸術工芸分野での利用として、染色、生け花や紙漉の材料にも使われています。
 ネパールではご飯の他に、酒(ワイン)の材料としても多く用いられます。この他に多く用いられるものとして、チューラーがあります。これは前にも述べましたように、よく水分を含ませた籾を炒ってから平たく押しつぶして籾殻を取り除いて作ります。保存食としても良いと言われています。これをヨーグルトに混ぜて食べると美味しいとのことです。筆者もこのチューラーを食しましたが、結構硬いもので、毎日食べていると、歯が丈夫になるかもしれません。他には、病気の時に薬としての活用があります。薬用として年間の使用量だけ栽培するという声を行く先々で耳にしました。
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白米のチューラー
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赤米のチューラー
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7)研究対象
 日本では、特に農林水産省がスーパーライス計画の中で、赤米を取り入れていましたし、期待されます。
 ネパールでは、栽培そのものが白米に押されて減少している状態ですので、研究対象として現時点で期待はできません。
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8)将来性
 日本では、多様化する食生活・食文化の中でかなり期待できるのではないかと思われます。マスコミ等でも良く登場しますし、あちこちで赤米を食しているとの声を聞くようになりました。
 ネパールでは、上記のようにほとんど将来性はなく、絶滅の運命を辿っていくものと思われます。
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 以上、ネパールと日本の赤米の比較を行ってきましたが、ネパールにおける赤米等の今後の盛衰については、日本と同様に、国策と直接関係するものと思われますが、他民族による生活習慣や宗教観の違い、交通の不便による地域交流の問題、気候の多様性による農業方式の違いや農業技術の急激な変化等、様々な要因によって左右されるものと思われます。
(以上ネパールの赤米編は終了、次回は中国の赤米を紹介します)
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《次回は3月初旬掲載》
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