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イメージ ろじ[路知]連載:赤米を訪ねて〜外国の赤米事情〜 第一回
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イメージ 安本 義正
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 「赤米今昔物語」では、日本国内の赤米についてお話してきましたが、このシリーズでは、ネパール、中国、インドネシア、ブータン、フィリピン等、アジア諸国の赤米事情についてご紹介することに致します。
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イメージネパールの赤米事情(1)
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 筆者が勤務する京都文教短期大学が交流を続けているネパールのパドマ・カニア・カレッジへの教員派遣第1号として、ネパールに2ヶ月間出かけることになり、ネパール国内の赤米を訪ねることしました。ネパール滞在中の活動テーマは「ネパールにおける生活文化の調査・研究」でしたが、もちろん赤米を訪ねることが目的です。ネパールにどのような赤米があるか、事前にネパールに関わりのある何人かの知人に尋ねてみると、意外にも赤米の存在を知らないと言うのです。これには大変困りました。ネパールに赤米が存在することの確証が得られないまま、「赤米を訪ねて」の旅が不安な「赤米探し」の旅となったのです。
 ネパールに着いて、しばらくは首都カトマンズに滞在して赤米情報を得ることにしました。まずは専門家に会うのが一番と思い、カトマンズに着いて3日目に、稲の研究者であるシャヒ博士に会って話を聞くことにしました。さすが専門家です。ネパールの稲作についていろいろと教えてもらったお陰で、ネパール全土における米作りの概要がよく分かり、その後の赤米探しに大変役立ちました。
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各種種籾を干しているところ(トリブバン大学農業研究センター)
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 ネパールには、約2000種の米があり、粳米や糯米もありますが、糯米は日本と同じく栽培は少ないとのことです。平野部ではほとんどインディカ米で、山岳地帯ではジャポニカ米も10〜20%栽培しているそうです。栽培方法も、ネパールの東と西ではだいぶ異なるようです。東方は水田が多く田植方式で、南部の方は暑さが厳しく直播きが多いとのことです。西方は陸稲の直播きも多いが、南部の平野部では水田の田植方式が多いとのことです。赤米についても尋ねてみると、「ごく普通に食べている」とのことです。チューラー(ビツンライス)といって、炒った赤米を押しつぶしたものをよく食べているのです。
 保存食としても食べられているそうです。後日このビツンライスを見せてもらったのですが、本当に薄く押しつぶされたものでした。昔よく食べた麦よりも薄く押しつぶされていました。ネパールでは赤米がごく普通に食べられていることがわかり、そのときはとても嬉しくなったものです。
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チューラー(ビツンライス):左は白米、右は赤米
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 ネパールに着いてから1週間は、赤米の情報収集に奔走しました。カトマンズ市内のアサンというところのお米屋をはじめ、ホテルのメイドさんやペンションの経営者や従業員等、いろんな人に赤米について聞いて回りました。しかし、なかなか赤米の実物は見ることが出来ません。少々不安にもなりました。
 情報提供をお願いするときには、必ず日本から持ってきた「赤米」「黒米」「緑米」のサンプルを渡して、「このような米を探しています」と渡しておくことにしました。しかし、かなりの赤米情報を手に入れることが出来たにもかかわらず、1ヶ月間は実物にはお目にかかることができませんでした。不安を超えてかなり焦ってきました。
 結局のところ、宿泊ホテル近くのレストランで赤米をやっと目にすることができた時は、すでにネパールに着いてから1ヶ月が経っていたのです。このときばかりは、「これで安心して日本に帰れる」と思ったものです。
 ネパールの赤米探しでは、パドマ・カニア・カレッジのニルマラ・ウプレティ先生に大変お世話になりました。お陰で、2ヶ月の滞在中に手に入れたネパールの赤米や茶米、緑米、赤米混じりの白米などは、ネパール国内の10カ所で20数種類にもなりました。
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ネパールの赤米等の収集地(10カ所)
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 写真はネパール全土から収集したお米を示しています。中には品種が分からないものもありますが、いろんな活用がなされていることも分かりました。
 次回からは、これらネパール各地の赤米を詳しく紹介していくことにします。
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ネパール各地の赤米・茶米・緑米
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《次回は10月初旬掲載》
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イメージプロフィール:
安本義正(やすもと・よしまさ)
大阪大学大学院修了(工学博士)
京都文教短期大学教授
宇治市生涯学習審議会委員 委員長職務代理
日本サウンドスケープ協会 理事
日本音楽療法学会評議員 近畿支部長
『古代からのメッセージ−赤米のねがい−』近代文藝社
『古代米は日本人を救う』ハート出版
『赤米を訪ねて−ネパール2ヶ月の旅に学ぶ−』窓映社
『古代稲は生きている』(共著)弦書房
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