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私たちが毎日のように食しているご飯は白米を炊いたものですが、世の中には白米の他に、赤米というものがあります。玄米の色が赤褐色をしていることからそのように呼ばれています。古代米だとか赤飯のルーツだといわれながらも、現在に復活して、今や静かなブームを巻き起こしています。赤米は民俗学関係では「あかごめ」、農学関係では「あかまい」と呼ばれることが多いように思いますが、筆者は「あかごめ」と呼ぶ方が何となく庶民的な響きがして、「あかごめ」と呼ぶ方が好きです。 この赤米のことを古代米と呼んだりしますが、厳密にいえば古代米は古代の遺跡から出土する籾や炭化した米などのことを指します。筆者はこの定義を少し広義に解釈して、赤米のように“古代米の大きな特徴を受け継いでいるお米”も古代米と呼ぶことがあります。 ![]() 米の構造 まず、米の構造を簡単に説明しますと、外側から、籾殻となる穎(えい)、糠層、デンプン組織(胚乳)となっています。糠層は上層から果皮、種皮、糊粉層(こふんそう)からなり、デンプン組織を覆っています。一般的に赤米は、図で示すように「糠層の部分に赤色系の色素が含まれていて、玄米の色が赤褐色を呈する米」と定義されます。籾殻となる穎の色が赤味を帯びているものがありますが、これは赤米とはいいません。人によっては赤色系色素が含まれる範囲が種皮の部分であると限定したり、また赤米の種類よってはデンプン組織まで赤色系色素を含むものもあるという人もいるようです。この赤米を完全に精米すると白米になります。 ![]() 左上:赤米の玄米 右上:赤米の半精米 左下:黒米の玄米 右下:黒米の半精米 玄米の色に関しては、赤褐色といっても、種類によってはかなりの濃淡がありますが、いずれにしても、私たちが一般的に赤米と呼んでいるのは、ほとんどのものが玄米の色が赤褐色を呈しているものです。化学分析によりますと、主にタンニン系の色素が含まれています。 赤米の他に玄米の色がほぼ黒色に近い黒紫色を呈する米があります。これは黒米と呼ばれています。この黒米を化学分析しますと、ほとんどアントシアン系の色素です。種類によっては、タンニン系の色素を含むものもあるようですが、色素的にいえば、黒紫色に見えるのは、このアントシアン系の色素が濃縮した状態だといえます。この黒米も完全に精米すると白米になります。 図では、赤米の玄米と半精米(五分搗き)、黒米の玄米と半精米(五分搗き)を示しています。黒米の場合は、半精米すると淡い紫色になりますので、紫米と呼ばれたりします。黒米は色素的に見ると赤色系の色素を含みますので、市販されるときに、赤米と称して売られることがあります。このことで少々混乱を生じることもありますが、一般的には、色素的な呼び方をしないで、玄米の外観(見た目での色合い)で、赤米とか黒米と呼んだ方が良いと考えています。 ![]() 赤米の赤穂 赤米の特徴は、玄米の色の他に、出穂時の穂の色にも表れます。通常の白米の穂は黄金色ですが、赤米の多くは穂の色が赤いのです。長さ7〜8cmの長い針のような、芒(のぎ)と呼ばれるものを持っています。写真でおわかりのように、赤色の芒を持っており、この鮮やかな赤色の穂が田んぼ一面に広がります。赤い波が押し寄せるかのように風にそよぐ様子は、本当に神秘的な、何ともいえない感動を覚えます。最近は改良品種も出ており、栽培しやすい点から、赤色の芒のない品種もあります。また穂の色が白色の赤米もあります。 赤米の稲の背丈も白米とは異なります。現在の白米の背丈(草丈)が1m程度であるのに対して、赤米は1m50cm以上はあります。外国種では、ブータンの赤米を日本で栽培すると、2mを超えます。このように赤米はいろいろな特徴を持っています。 次回から、この赤米がどのようにして現在に復活したのか、今どのような活用状況にあるのか等々、読者の皆さんを「赤米今昔物語」の世界へと誘うことにいたします。
《次回は11月初旬掲載》
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