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Webオリジナル ろじ
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イメージろじ[路知]
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イメージ 連載:温故知新1〜現代によみがえった燈籠〜
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イメージ 矢野 真
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ーツごとの仕上げが終わり、いよいよ長崎ハウステンボス現地での組み立てである。一つひとつのパーツに刻印された番号をもとにして、順番にボルト・ナットによって組み上げられる。上部と下部のパーツを別々に組み上げていく。そして、上部を吊り金具に設置しながらベアリングによって回転する中心軸を通し、下部を全員で持ち上げながら中心軸に固定する。固定した上下枠に開閉式の扉や燭台などを固定する。最後に金属のパーツを鏨(たがね)などで調整を行い、磨きをかけていく。
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 8日間にもわたる組み立ての最終日。完成が近づくにつれて、日もいい具合に暮れてきた。燭台に蝋燭を灯すにはベストな時刻である。最後の調整を行った後、燭台の蝋燭を灯してゆっくりと回転させてみる。きれいだ・・・。真鍮の磨きがかかっているため、燈籠全体が金色に光り輝いている。そこに蝋燭の灯りが反射しているため、言葉では表現しきれないような世界がそこに出来上がっていた。本当に幻想的な世界に身を投じているような気分になった。気がつくと、それまでの疲れが一気に吹き飛んでいて、感動で身震いがおきた。その場にいた者はみんなそうだったに違いない。誰も何も言わずにただ回転する燈籠をみつめていた。まるで400年の時を越えて、江戸に初めて燈籠が来た時にタイムスリップしたような感覚だった。今では、この燈籠のような西洋的なデザインは見慣れてしまっている。それでもその素晴らしさに感動するということは、これをみた江戸時代の人たちは私たち以上の幻想的な世界に身を投じたのではないだろうか。事実、スヘルレールの論文にも、1643年に長崎奉行がこの燈籠を見物に来た時、「その素晴らしさに驚き、つくりのたくみなることを、日本の流儀で表現した。」「かつて日本で見たこともないこの優美にして高雅な品」という表現がみられる。圧倒的な存在感で迫ってくる燈籠は、もっとみてくれといわんばかりにクルクルと、しかし優雅に回転していた。
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 今振り返ってみると、文化財として存在するこの燈籠が、単なる大きさと姿を残しているだけでなく、その制作過程のなかにあった多くの工人たちの姿を映しているように感じる。工人たちのさまざまな苦労、工夫、喜びの共有、技術の伝授など、この模刻制作で学び取ったものは、お金で買えることのできない素晴らしい財産となった。事実、このプロジェクトで知り合った人たちとは今でも親しく交流があり、制作などで本当に困ったことがあるとすぐに駆けつけ相談にのってくれている。本当に素晴らしい共同制作プロジェクトであったと思う。私はオランダ燈籠の模刻制作に参加して、作品の存在に時間と距離を越えてなおも、その制作者が今も存在しているような気がしてならないのである。
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 私の記憶は鮮明によみがえった。そうだ、それがオランダ燈籠の模刻制作プロジェクトだった。電話をくれた親友は、最後にこう付け加えた。「なかなか迫力があって圧巻だったよ。昔の工人たちもすごいけど、それを制作してしまう君たちも負けてないね。」
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 彼の言葉は何かこそばゆくも嬉しく、心に響いた。私は電話の受話器をゆっくりと、そして確実に置いた。
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○ 復元された燈籠の動画
QuickTime ムービーファイル]14.5MB(約1分)

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<参考資料>
・Th.H.ルンシング・スヘルレール著、太宰隆訳
 『日光東照宮のオランダ燈籠』オランダ外務省 1980
・村上直次郎訳『長崎オランダ商館の日記』岩波書店 1980
・日光社寺文化財保存会
 『重要文化財東照宮 神輿舎、東通用御門、表門附簓子塀内番所燈台穂屋(八角)燈台穂屋修理工事報告書』1981
http://www.pref.nagasaki.jp/nichiran/ 長崎県文化財調査報告 日蘭関係資料
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図1 中心軸の取り付け
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図2 下部を全員で持ち上げ、中心軸に固定する
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図3 上部と下部を中心軸に取り付ける
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図4 上部と下部を中心軸に取り付ける
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図5 ねじり柱の取り付け
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図6 燭台の蝋燭を灯す
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図7 燈籠全体が金色に光り輝く
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図8 オランダ燈籠(模刻)完成
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*温故知新1「オランダ燈籠編」は今回で終了です
*次回は温故知新2を2月初旬掲載予定
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