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これから旬の美味しいサツマイモは、蒸かして食べるだけでなく、江戸時代には様々な調理方法がありました。このような、江戸時代の料理書から選りすぐりの品を紹介していきたいと思います。サツマイモがどんな変身を遂げるのか、ぜひ見てください★ 江戸時代の料理書『甘藷百珍』をもとに料理を紹介します。 『甘藷百珍』の説明 先に刊行されて好評を博した『豆腐百珍』をまねて、珍古楼主人により書かれたもので、寛政元年(1789)に刊行されました。奇品、尋常品、妙品、絶品に分けられていて、なんと123種のサツマイモ料理が書かれています。奇品には形が珍しく意表をつく料理が載っており、裏漉しした蒸し芋に紅を着色し、かまぼこ形にして板にのせた「紅かまぼこいも」等、かなり苦心の後が見える調理法もあります。尋常品には家庭の日常料理が記され、「藷精」「いも雑炊」等があります。妙品には、形が珍しく味が奇品より優る料理が記され、「雪花菜いも」等が収録されています。絶品は極上級の料理で、例えば白胡麻をたっぷり使った「いも麻腐」等があります。 まずは『甘藷百珍』の奇品に出てくる「色付いも」を紹介します。 蒸したサツマイモに色をつけるというユニークな料理。 様々な色をつけて3時のおやつにしても楽しそうです。 色付いも 何色にても蒸しいもの馬尾篩濾しを用ゆへし。 赤色は紅藍を押交てよく、浅紅・深紅好みによるへし。 黒色は釜底墨を用ゆ。五色に染る時は黒色を除て、紅に青粉交合せ紫色を作るべし。 白色は六六藷精にて色を付る。至て白くなる也。 黄色は山巵子をきざみ、水に浸し、その汁を交てよし。鬱金末を用ゆるは香り悪しきゆへよろしからす。(どの色をつける場合でも蒸しいもをすいのうでこしたものを使う。赤色は紅藍を押し混ぜるとよく、浅紅・深紅は好みによる。青色は青粉を押し混ぜるとよい。黒色は釜底墨を用いる。五色に染める時は、黒色を除き、紅に青粉を混ぜ合わせて、紫色をつくる。白色は、六六いもの精で色をつけると大変白くなる。黄色はくちなしを刻み、水に浸し、その汁を混ぜるとよい。) 右のいろ付の藷、五色ともちいさく円め、色を取合せ、菓子に遣ふて甚よし。尤、砂糖を交合すべし。是を五色いもといふ。(右の色つけのいもは、五色とも小さく丸め、色を取り合わせ、菓子に使うと大変よい。ただし、砂糖を混ぜ合わせなければならない。これを五色いもという。) 紅花: エジプト原産といわれる越年草。夏に枝の先に鮮黄色の管状花が頭花をつくり時がたつと赤色に変わります。若菜はサラダ菜、種子は油料として利用されています。この紅花は、エジプトからインドを経て中国に渡り日本に伝えられました。『古事記』に紅花のことが出てきます。紅花の紅色は、水溶性の黄色素(サフロールイエロー)を流し捨て、紅色素(カルタミン)をアルカリ性の液で抽出します。しかし、この紅色色素は40℃以下で扱わなければならず、非常に扱いが難しく手間のかかる染料です。 くちなし: 常緑低木で、夏に香気のある白い花をつける。実は黄色の染料となる。実が熟しても、口が開かない事から名づけられた。 作り方 まず漉し芋を作り、色をつけていきます。お好みで砂糖を入れてもいいです。
次回は、この色付いもを使った、きれいな一品を紹介します。 お楽しみに!! 参考文献 松下幸子・榎木伊太郎『再現江戸時代料理』小学館、1993
《次回は12月初旬掲載予定》
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