メインロゴ 九州国立博物館
イメージ
メインロゴ 九州国立博物館
メニューバー01 メニューバー02 メニューバー03 文字 変更 文字 小 文字 中 文字 大
トップページ
お知らせ
展示情報
催し物
ご利用案内
収蔵品ギャラリー
データベース

よくあるご質問
イメージ
Webオリジナル ろじ
イメージ
イメージ
イメージろじ[路知]
......................
イメージ第一回
イメージ第二回
イメージ第二回
イメージ第四回
イメージ第五回
イメージ
イメージ イメージ :ページ印刷
イメージ 連載:アジアと九州をつなぐモノ 〜馬と民具の"物"語〜 第四回
イメージ
イメージ 小島 摩文
イメージ
 前回までに、日本の荷馬と東アジア・東南アジアの山岳地域で棒締頭絡が用いられてきた様子を見てきました。これらの地域で荷馬に用いられる馬は小型馬です。荷馬は馬の背中に荷物を振り分けにして載せる馬のことをいいます。荷馬には一般的に小型馬が使われますが、これは小型馬の方が大型馬に比べて荷物が載せやすいという利点があるためだと一般的に説明されます。ただ、それだけではなく戦前の陸軍の行ったさまざまな馬に関する研究のなかでは、駄載(背中に荷物を載せること)の場合は大型馬より、小型馬の方が重い物を効率的に運べるという結果もあり、単に荷の乗せやすさだけが小型馬が使われていた理由ではないようです。
イメージ
 タイやラオスで山道を行く場合、道幅が30センチぐらいしかない所も少なくありません。そして木が生い茂っていて高いと邪魔になることもあります。そんな道を行くには小型馬の方が適しています。そして、山道を行くときに前提になっているのが、馬は道から転がり落ちる、ということです。以前、ラオスのポンサリー県で1日5時間から10時間ほどの山道の旅を馬と一緒に5日間したことがありましたが、その時も毎日のように馬が山道から脚を踏み外し2,3メール下まで転がり落ちていました。
 そんな時には、人が降りていって馬のおしりを押したり、場合によっては馬の前足の間に入って担ぐようにして、馬を道まで戻します。「平家物語」に畠山重忠が馬を背負った話がありますが、あながち誇張しただけの話ではないのかもしれません。
イメージ
 写真(1)のように、木で道がふさがれていることもあります。山刀で切り開きながら進みますが、馬に荷を載せたままでは危険なので、写真(2)のように、人が担いでこの場をしのぎます。
 臨時に人が荷物を担ぐ場合にしろ、馬が転がった時にしろ、荷物は簡単に取り外せた方がいい。しかし、普段はしっかりと固定されていなければならない。そのために中国、ラオス、タイ、ベトナムなどの山岳地域で使われている小型馬の荷鞍には共通の工夫が施されています。写真(3)のように、馬に固定する鞍と、その鞍に載せる部分との二つが分かれているのです。私はこれをカートリッジ式と呼んでいます。写真(4)が荷物を縛り付けたカートリッジ部分を鞍に載せているところです。軽い荷物なので一人で載せていますが、重い場合は二人で載せます。地面に置いたまま括れるので、重い荷物でも直接馬に固定した鞍に縛り付けるより楽にできます。どうして鞍が二つに分かれているのか理由を尋ねると誰でも、荷物が載せやすいからだと説明してくれます。
イメージ
イメージ
イメージ
写真(1)
イメージ
イメージ
イメージ
イメージ
写真(2)
イメージ
イメージ
イメージ
写真(3)
イメージ
イメージ
イメージ
イメージ
写真(4)
イメージ
イメージ
 しかし、このカートリッジ式の一番大切な点は、馬が転倒して斜面を転げ落ちた時、背中の荷物によって振り回されないということです。馬が山道で踏み外して斜面に転がる所を何度か見ましたが、荷物は必ず背中から飛び出し、かなり下の方まで転がって行きます。荷物を背負ったまま遠心力で振り回されれば馬はきっと脚をケガするのではないでしょうか。使っている人たちも普段意識していませんが、私はこのカートリッジ式鞍が広い範囲で同じように使われている大きな理由は荷物の積みやすさだけではなく、山道での安全対策だと考えています。
イメージ
 カートリッジ式の鞍は日本では見あたりません。制御具は共通していますが、鞍は違います。中国、ラオス、タイ、ベトナムなどの山岳地域では荷馬の鞍はほとんどがこのカートリッジタイプです。荷馬と共に旅をしてみて、その機能の合理性には驚きました。
 こうした先人の知恵によって荷馬たちは細い道や急峻な山道を安心して行くことができるのでしょう。写真では分かりにくいかも知れませんが、写真(5)は、かなりきつい坂道です。こんな所でもゆっくりとですが、確実に馬は登っていきます。
イメージ
イメージ
イメージ
写真(5)
イメージ
イメージ
イメージ
イメージ
イメージ
イメージ
《次回は10月初旬掲載》
イメージ
イメージ このページのトップへ
イメージ
このサイトについて::お問い合わせ::関連リンク集::サイトマップ
Copyright © 2006 Kyushu National Museums