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イメージ開館後、意外な発見はありましたか。
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 私たちも考えていなかったことですが、来場者の中にしょうがい者の方々が非常に多いんです。これは私にとっても非常に新しい発見でした。他の博物館・美術館では多分、あまり見られないと思いますね。私たちが把握している限りで、海外並みの水準です。しょうがい者の方でも展示に触れたり匂いをかいだり、博物館らしい騒音を聞いたりと、色々な形で博物館を感じ取ってくださるのです。
 五感を使った展示というのは、この博物館の1つのあり方ですが、1階の子どものための総合体験広場「あじっぱ」でも、当たり前のようにやってます。五感で感ずるところがあれば、しょうがいの有無にかかわらず楽しんでもらえると思っています。
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イメージ天満宮からのエスカレーターも車椅子用があって安心しました。そして皆さんの親切な対応が印象的です。
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 スタッフだけでなく、ボランティアの人たちと共につくっていければとの思いもあります。今、この館で登録されているボランティアは300名。17歳から82歳くらいまで、1都1府7県の人たちが参加してくれています。毎日50人位の方が、通訳であったり、しょうがい者のお手伝いであったり、様々な館の活動に従事してくださっている。そういう流れを今後、兄弟館にも呼びかけながら拡大し、国内外で新しいボランティアのあり方、ネットワーク作りなども探っていけたらいい。私自身も期待しているところです。
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イメージ現在の特別展が「琉球展」だからかもしれませんが、1階のエントランスホールから明るくにぎやかですね。
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 九州国立博物館は、ミュージアムホールや、ある程度広さと空間のあるエントランスホールを持っています。そういうところをなるべく100%使いたいです。展示に関する様々なことを、色々な形で皆さんに楽しんでもらいたい。
 今はおっしゃる通り、琉球一色です。会期中、歌や踊りもあるでしょうし、それを見にくるだけの方も、参加する方もいるかもしれない。あるいは琉球の品々を買いに来る方もいるかもしれない。こうした展示だけに限らない総合的なとらえ方は、新しい博物館のあり方として今後も提案したいし、取り組んでいきたいですね。
 例えば、展示会場で音楽会をやる。モーツアルト、バッハ…なんてどうでしょう。こんなあり方を今、手探りしている最中なんです。来て下さった130万人の方々が、私たちにそういう発想を高める勇気を与えてくれました。
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イメージリピーターは多いんですか?
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 意外に多いと思いますよ。親しい人に聞くと、あの人はもう5回目だよとか。4階の文化交流展示室、いわゆる常設展示では約800点を展示しています。でも、実は展示しっぱなしじゃないんですよ。1年のうち半分ぐらいは入れ替えようという考え方です。月に30〜50点くらい展示替えをしています。いつ来ても新鮮さを保っている。だから、私どもでは「常設展示室」と言わず、「文化交流展示室」と呼んでいるんです。
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イメージ京都や東京の国立博物館では展示替えはないんですか?
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 常設の場合、ほとんどないと思います。もちろん保存上の問題で替えることはありますが。展示替えは温度や湿度の調節をしたり、実は結構大変なんです。
 常設展といわれると、1年間ずっと同じ展示というイメージがありますよね。そう思われたくないこともあって、ここでは禁句なんです。私は「常設展はどこですか」と聞かれると、「ありません」なんて言っちゃうんですが(笑)。
 勝手な思い入れみたいなことはありますが、いかに新鮮な思いで見ていただけるか、130万人の方々をいかに次につなげていくかという努力が大切だと思っています。
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イメージ保存といえば、こちらの博物館ではかなり力を入れていると伺っています。
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 私はここの文化財の保存環境は世界一だと思っています。持っている文化財が多くない裏返しでもあるんですが、ここでは借りられる環境をつくっているんです。つまり、虫やカビのいない施設であり、文化財が保存されるにいい環境ですね。九州国立博物館ならぜひ貸したい。あそこに貸しておけば保存は完璧、虫やカビは絶対大丈夫だと思ってもらえるような。それが大切なんです。
 今、海外が心配しているのは関西の大震災以来、地震です。日本に貸したくない。貸すならべらぼうな保険料をかけるとか。保険料だけで1展覧会分の経費くらいかかったりするんですよ。でも、九州国立博物館には免震装置があります、危機管理がしっかりしています、保存環境が整っていますと胸を張って言えるわけです。
 これから文化財の保存は環境が「鍵」だと思っています。今までは世界中で、くん蒸の薬品の使用を行ったりして保存していました。でも、それが地球温暖化の要因になるといって、文化財の総合的な人的管理に変わって来ました。いい環境をつくって保存する。言い方を変えれば、日本の昔のやり方に戻った。正倉院には今から1000年以上前のものがいまだに残っているじゃないかと。大事なものは桐箱の中に保存しているでしょう。ここでも桐を利用しています。
 最初にも申し上げましたが、九州国立博物館は環境が切り口なんです。大勢の人々が来場してくださるのはうれしいですが、でも、もし1日2万人の方が来たら、酸欠状態になってしまいますね。そのために、博物館科学課で働く人たちが、観る人達にとって良い空気を、一生懸命作る準備をしている。文化財も大事ですが、ここを訪れて下さる方たちが「九州国立博物館へ行ったらリフレッシュできた」というような気持ちになってもらいたい。それが私たちの願いなのです。
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[聞き手:坂口さゆり(フリーランスライター)]
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