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![]() 写真の右の展示品は、唐人(とうじん)あるいは唐子(からこ)の装束と見られます。江戸時代末期から、明治時代初期に下る可能性のある作品です。残念ながら、どこの土地に伝わったものかは分かりませんが、関西方面のものである可能性が指摘されています。 この手の装束は、唐人行列や唐人踊り、唐子踊りなどと呼ばれる、江戸時代の通信使を模した仮装行列における唐人役が着るものです。江戸時代には、江戸や金沢、名古屋、川越、土浦、和歌山、鳥取などの各地で唐子踊りや唐人行列のあったことが知られており、戦後まもなくまで、大垣でも唐人踊りが実施されていたそうです。現在なお、三重県鈴鹿の唐人踊りや、岡山県牛窓の唐子踊り、三重県津の唐人行列が残っており、大切に保存されています。江戸時代の朝鮮通信使が日本文化に与えた影響のひとつと見て良いでしょう。 当館所蔵のこの作品の特徴は、唐人装束だけでなく、写真左にあるような、馬装が付随しているという点にあります。これは、知られているなかで、恐らく唯一の遺存例と言えるでしょう。 作品全体として、朱の羅紗と緑の絹とを基調にした、華やかなつくりの染織資料です。唐人装束は、垂飾のついた帽子や肩・首の大きな飾り〔雲肩(うんけん)〕、襞のついた袖のある上衣、鉄芯で裾を大きく反らせた腰飾りなど、いわゆる唐人的・朝鮮風なイメージを印象づける特徴を備えています。また、馬装の八子(はね)、障泥(あおり)、三懸(さんがい)などは、裏・表の生地が見え隠れしたり、白い毛の房がゆらゆらしたりすることで、大変美しい効果を放っています。 |
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