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![]() 塩屋区(緑)・田港区(黄)のハーリー船 2004年、沖縄県大宜味村の田港区・塩屋区から、九州国立博物館に2隻のハーリー船が寄贈されました。現在、九州国立博物館のエントランスホールのカフェテリア横に展示されています。 このハーリー船(爬竜船)は、沖縄県北部の大宜味村塩屋湾で、毎年、旧盆明け最初の亥の日に行なわれる豊饒祈願祭「海神祭(ウンガミ)」で使われているものです。塩屋湾に面する田港・塩屋・屋古の3集落が、それぞれ大・小のハーリー船を出し、祭りのなかで競い合います(田港は黄色、塩屋は緑色、屋古は黒色のハーリー船)。一年に一度、村の人々の熱い思いをのせて、ハーリー船は漕ぎ出でます。この船が無事にゴールすれば、村の豊饒が約束される、とみなが信じているからです。 ハーリー船行事の文化は、東アジアや東南アジアに広くひろがっています。福建や広東などの中国人が海外に移住し、そこに持ち込んだ文化が、さらに現地の人々に受け容れられていきました。今なお、沖縄のほか、長崎(ペーロン)や雲南省、香港、ヴェトナムなどの各地で伝統的に続けられています。また、沖縄のあちこちの港でも、ハーリー船行事が見られます。おおむね、旧暦5月4日(ユッカヌヒー)が“ハーリーの日”です。楚国の忠臣屈原が5月5日に入水自殺したのを人々が嘆き惜しんで、端午の節句に爬竜船(ハーリー)競漕を行なったことが、ハーリーの淵源だと言われています。 さて、九州国立博物館に寄贈された大宜味村塩屋湾のハーリー船行事は、旧暦の盆(新暦7月15日前後)明け最初の亥の日にすることが決まっています(この日に行なわれる理由は不明ですが、沖縄の北部の祭りは多くこの日に開催される)。大宜味の塩屋湾では、とくに明確に、豊年祈願祭の一部として、ハーリー船行事が位置づけられているのです。
各地のハーリー船行事に共通するのは、海の彼方のニライカナイから、世果報(ユガフ、豊かさ)を招く、という思想です。ニライカナイはピンクのイメージで捉えられている、神々の住む理想郷です。つまり、ハーリー船は、開館一周年記念展『海の神々』にもふさわしい展示品の一つなので、どうぞご覧下さい。
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